睡眠時無呼吸症候群

1. 睡眠歯科学には閉鎖型睡眠時無呼吸症やいびき症に代表される睡眠呼吸障害等が含まれる

    睡眠時無呼吸症候群
    睡眠歯科学(Dental Sleep Medicine)では、睡眠医学(Sleep Medicine)の中で歯科の分野に属する疾患が対象となり、閉鎖型睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea : OSA)やいびき症に代表される睡眠呼吸障害(Sleep-disordered Breathing : SDB)ならびに睡眠ブラキシズムなどの睡眠関連運動障害が含まれます。

    特に、睡眠中に上気道が狭窄もしくは閉鎖することにより高度ないびきや無呼吸を有するOSA患者様では、無呼吸発作に伴い高度の低酸素地症と睡眠からの覚醒を繰り返すため、日中の過度の眠気や起床時の頭痛・熟眠感の喪失が認められ、高血圧症や虚血性心疾患、脳血管疾患の危険因子として重要であることが指摘されています。

    また、日中の眠気から交通事故などを引き起こす率が有意に高いなど社会的・産業医学的にも大きな問題となっており、2014年6月の道路交通法改正では、居眠り事故の危険性が高くなるOSAを含む睡眠障害やてんかん、統合失調症などへの対策が強化されましたところであります。

    2004年4月より医科と連携して行われるOSA患者さんに対する口腔内装置(Oral Appliance : OA)治療が保険適応になったことで、本疾患における歯科の役割は大きくなり、診療に携わる施設も増加しています。

    テレビや新聞等で報道されているような、悲惨な交通事故が起きてしまう前に、OSA的要素を持っていると感じ、本人に医療機関の受診の意思が無い場合は、家族や周囲の人達から受診を促し専門の検査を受けるようにする事と同時に、早期に適切な治療を受けることが重要と思います。

    単に「いびきが凄い=疲労の蓄積だ」などと言って日々を過ごすことなく、近隣の医療機関をまずは受診し、必要に応じ専門機関への紹介も含め、医師に相談することをお勧めします。

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    武内 光晴

    武内 光晴

    武内デンタルクリニック 院長 歯科医師

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