メタボリックシンドロームと歯周病の関係とは
ある化学メーカーの研究によると、メタボリスクが高いと歯周病リスクも高いと云う学会発表がありました。
調査の概要としては、24~60歳の男女を対象に、メタボリックシンドロームの指標となる肥満(BMI)・血圧・脂質・血糖値と歯周病の判定指標となるCPI(地域歯周病疾患紙数)を調査し、その関連性について統計学的解析を行い「歯周病」と「メタボリックシンドローム」には関連性があることを明らかにしました。
今回の対象者は男性2.028名、女性450名計、合計2.478名についてメタボリックシンドロームの指標項目について、「該当なし」は48.0%、「該当1つ」は27.1%、「2つ」が16.7%、「3~4つ」は8.2%でした。また、“歯周ポケット有”の人は全体の25.9%でした。
この結果について関連性を調べたところ、以下のことがわかりました。
肥満(BMI)・血圧・脂質・血糖値の全ての項目でメタボリスクの高い人は、低い人に比べて“歯周ポケット有”の該当率が明らかに高いことがわかりました。同時に歯周ポケットの有無は、性別・年齢・喫煙習慣の影響を受けやすいことが示されました。
そこで、性別・年齢・喫煙習慣の影響を排除しても関連性があるのかを調べるために、この3つの要素を調整因子として統計処理を行い、メタボリックシンドロームの指標となる項目とCPIとの関連を調べる統計解析を行いました。
その結果、メタボリックシンドロームの指標の項目に該当する人は“歯周ポケット有”の比率も明らかに高いことがわかりました。特に20~30歳代の若い年代も、40歳代以上と同様に、メタボリックシンドロームの指標の項目該当数が多くなると“歯周ポケット有”の比率が高く、歯周病リスクが高くなる傾向があることがわかりました。
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