古代から存在したインプラント
インプラントは新しい歯科治療とのイメージが強いですが、紀元前の遠い昔から歯科治療としてのインプラントが試みられていたことが古代遺跡から発見されています。
現在、人類の歴史上最も古いとされるインプラントは、トルコで発見された石製のインプラントで、紀元前550年頃のものだといいます。ただし、このインプラントは、実際に歯の代わりとして機能出来ていたかは疑問であり、特定の儀式などの為だけに使われていた可能性もありますが、このような事を古代人たちが考えていたことには驚ろかされます。
紀元600年頃には、メキシコ南東部で栄えたマヤ文明において真珠貝製のインプラントが使われていたことが分かっています。高度な建築技術や暦、計算技術を持っていたマヤ文明らしく、インプラントが生前に口腔内で機能していたことも遺跡調査(写真)によって判明しているようで、これが現在発見されている中で有効性が確認されている最古のインプラントとされています。
更に、神々の国、ギリシャでは、権力者が奴隷の歯を抜き、自分の歯の抜けたところに埋めていたという事も記録されています。この他、インカ文明やアスカ文明でも古代インプラントが遺跡として発見されているようです。抜けた歯に代わって石や骨、貝殻、動物の歯などを埋め込むと言うことは、発想的には単純ですから、古代からインプラントが行われていても不思議なことではありません。
しかし、現在のような麻酔も消毒機器も無い時代に、想像を絶する痛みにまで耐えてまでインプラントを行おうとしたのは、時には死者の歯を用いることもあり、歯に対する何らかの信仰などが存在していたようにも思われます。
消毒と言うと某眼科医院における感染症の報道がありましたが、微小出血を伴うことが多い歯科領域においても厳密な滅菌器具・機器が必要とされます。一般的には消毒と言われていますが、消毒→殺菌→滅菌の順にレベルか上がり、医療の領域では常に「滅菌」であることが求められます。
この滅菌と言う作業は高温が伴うため、タオルや布製品は焦げることがあります。見た目には焦げ跡は汚く見えると思いますが、最高に清潔な状態を示しています。見た目の「きれい、汚い」と「清潔、不潔」には一般的な感覚と医療現場では、時として「差」があることもありますので注意が必要と思います。
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