隙間に侵入した菌がう蝕(虫歯)を作る
う蝕の治療が終了した段階で、歯科の定期健診やフッ化物を積極的に使うなど、今までの口腔ケア習慣を変えれば二次う蝕の発生を予防することができますが、そうでない場合は隙間に侵入した菌がう蝕(虫歯)を作ります。
そして何年か後に再治療となり、今までよりも大きな充填物になり、次は歯髄炎を経て抜髄へと進行していきます。
無髄歯(神経の無い歯)はもろく、やがて破折に至ることもしばしばあります。破折の具合や程度によっては抜歯になる場合もあります。
う蝕は歯周病に次いで抜歯原因の2番目とされていますが、う蝕を主な原因とする破折を加えれば、歯周病を抜いて抜歯原因のトップに踊り出ると思います。
う蝕に罹患する歯の部位は年齢とともに変化していきます。子供時代は萌出したての歯の小窩裂溝(噛み合わせ面にある複雑な筋状の溝)が圧倒的にう蝕になりやすい箇所です。萌出後、2~4年間はその状態が続きます。思春期以降の大人では、歯と歯が接する歯間部からう蝕が発生しやすくなります。
「歯が欠けた」と云う主訴で来院する患者さんの多くは歯間部のう蝕で欠ける場合が多いものです。隣接面う蝕(歯の側面から始まるう蝕)は発見しづらいですが、かなり前から少しずつ進行していることが多く、固めの食品を噛んだりして患部が崩れるため、患者さんからすれば「歯が欠けた」と思うわけです。
さらに年齢を重ねると、歯頸部のう蝕から、さらに歯肉が退縮して歯根が露出することで起きる根面う蝕へとリスクが変っていきます。
これらの変化の経過・過程は年齢の大きく関係した変化ですが、比較的若い年代でも遭遇する場合もあります。
例えば、う蝕から歯を守りたい一心で、ゴシゴシ磨きを日に数回行っていると、歯頸部の歯自体が歯ブラシによって「くの字」に削られてしまい、知覚過敏症を引き起こし、歯ブラシが当たるだけでも痛みを感じるようになってしまう場合があります。
この知覚過敏症は根面う蝕ではありませんが、まるで歯が長くなったように鏡には映りますので、根元付近に発生した異常=う蝕(虫歯)と混同されやいものです。
最近ちょっと耳にすることもあるかも知れない「酸蝕歯(さんしょくし)」は、健康にいいとされる酸を含む飲食物を摂り続けることによって、酸がエナメル質を弱体化させ、歯を薄く弱くし、歯本来の白さを失ってしまった歯のことを指します。
歯科を受診することが一番ですが、初期の知覚過敏症や酸蝕歯は市販されているそれ用の歯磨きを用いることで改善が見込めます。
歯の「白さ」ばかりが注目されがちで、つい見落とされがちな歯の「変化」にも注意をしながら、日々に歯磨きケアをして頂くとより、よろしいように思います。
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