1. 大人の虫歯治療対策

1. 大人の虫歯治療対策、大人の虫歯を診る場合には必ず歯根部(根面う蝕)も診る。

    大人の虫歯治療対策とは
    人々の健康への関心の高まりは、歯科領域においても「自分の歯を大切にすること」につながり、歳を重ねても自分の歯の保有数が増加する傾向にあります。

    しかし、一方では50代以降の二次う蝕(二次虫歯)の増加や、隣接面(歯と歯が接する部分)のう蝕、歯周病治療後の歯肉退縮による根面う蝕(根面虫歯)などが増加しています。このような大人のう蝕ですが、診療現場のう蝕チェックでは、長年の習慣で歯冠部のエナメル質が中心となり、歯根部のう蝕についてはつい見過ごされがちです。

    従って、大人のう蝕を診る場合は、二次う蝕や歯間部など、エナメル質の次に歯根部を必ず診る、と云うように体系付けることが必要です。エナメル質のう蝕では、表層下脱灰などの初期段階であれば、再石灰化を促すことで治癒できます。

    しかし、う蝕が生じてしまうと、再石灰化が期待できないため、う蝕罹患部(虫歯になってしまったところ)の歯質を除去して、そこに人工物を充填します。

    人工物と歯質の接合部(境目)にミクロン単位の微細な隙間が生じた場合、そこからミュータンス菌などが進入し二次う蝕が発生します。

    この人工物=充填物自体の収縮によって発生する隙間を大幅に改善した充填物も開発されていますので、どのような物を充填(詰める)のか、歯科医に相談してから決めた方が良いと思います。この新しいタイプの充填物は、現在の健康保険制度の適応外ですが、上記のような小さいう蝕であれば、驚くような高額になることはないと思います。

    従来型の物の中でも「高品質」を謳ったものもありますが、レベルに大差があるものと思います。

    ここで一つ言えることは、ご自身のう蝕の状態・実態がどのようになっているのか・どんな虫歯なのかを、具体的な治療に入る前に、一定レベルまでご自身が理解しておくことが、治療上一つの重要な要素となるのではないかと思います。

    多くの場合、「自覚症状が無いもしくは少ない=軽傷」「硬い物でも難なく噛める、しみることもない、ぐらつくこともない=問題なし・異常なし」と云う判定をご自身でしてしまう傾向にあるように思いますが、必ずしもそうではありません。

    内臓関係の病気と同様に自覚症状が無くても、重篤な状態に陥っている場合も多々あることで、珍しいことではありません。歯は幸か不幸か、ご自身で鏡を使いその全体を見ることが容易に出来てしまうことが、安易な自己診断につながっているようです。

    50代だからと云う訳ではなく、一度は現状を詳しく、丁寧に時間を掛けた説明を受けられる歯科医院を受診されることをお勧め致します。

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    武内 光晴

    武内 光晴

    武内デンタルクリニック 院長 歯科医師

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